グラスホッパーとは、 リキュール をベースとする カクテル である。新しい作り方によって作られたグラスホッパーは、 ショートドリンク (ショートカクテル)に分類される。カクテル名のグラスホッパーとは、「 バッタ 」または「 キリギリス 」のこと。昔と今とでは、作り方が変わったカクテルとして知られる。(詳しくは、「 作り方の変化 」の節を参照のこと。)新しい作り方によるグラスポッパーは、不透明な淡い緑色に仕上げるが、この緑色はグリーン・ペパーミント・リキュールの緑色に由来し、 生クリーム と混ざることで淡い色彩となる。なお、カカオ・リキュールは、ホワイト使用しないと、淡い緑色が綺麗に出ない 。 このため、カカオ・リキュールは、 アレクサンダー を作る時などにしばしば使用される茶色のものではなく、無色透明のホワイト・カカオ・リキュールが指定されている。なお、新旧どちらのグラスポッパーも、基本的には食後酒(アフター・デイナー・カクテル)に分類され、その中でもとりわけ代表的なカクテルとされる 。 しかし、別に食後に飲まなければならないと決まっているわけではない。
グリーン・ペパーミント・リキュール : ホワイト・カカオ・リキュール : 生クリーム = 1:1:1
グリーン・ペパーミント・リキュール、ホワイト・カカオ・リキュール、生クリームをシェークして、 カクテル・グラス (容量75〜90ml程度)に注げば完成である。
グラスホッパーは、誕生当時、3層の プース・カフェ・スタイル のカクテルとして作られていた。それが、いつの頃からかは不明だが、シェークが行われ、完全に3種の材料が混合された形で作られるようになり、今に至る。
リキュール・グラス(容量30ml程度)に、まずホワイト・カカオ・リキュールを、次にグリーン・ペパーミント・リキュールを、最後に生クリームの順番で フロート させてゆけば完成である。それぞれの 比重 の違いと色の違いにより、3層に別れ、中央のみが鮮やかな緑色となる。なお、グリーン・ペパーミント・リキュールとホワイト・カカオ・リキュールと生クリームは、それぞれ等量ずつである。
シェーカー を使ってシェークすることには、材料を混合する以外に、材料を急速に 冷却 するという意味もある。冷却が行えるのは、シェーカーの中に 氷 を入れるからであるが、冷却を行うことで口当たりを良くするなどの効果も得られる。シェークが行われた後、室温などで温度が上がってしまうと、材料の冷却を行ったことで得られた効果は、当然ながら失われ、しかも、シェークの際にシェーカーの中の氷が融けて薄まってしまうという、シェークを行ったことによる欠点のみが目立つ結果となる。したがって、シェークを行った以上は、その後、温度が上がってしまう前に飲み切ってしまう必要が出てくるのである。つまり、ショートドリンクとなるのだ。
ところで、プース・カフェ・スタイルのカクテルは、作る際、特に冷却を行ったりはしないので、一般的には ロングドリンク (ロングカクテル)に分類される。それは、この旧来のグラスホッパーも例外ではなく、やはりロングドリンクであった。
すなわち、グラスホッパーは、ロングドリンクからショートドリンクに変化したカクテルなのだ。シェークが行われたことによって、カクテルが作られてから、比較的早い時間で飲み切る必要が出てきたのである。
旧来の作り方、すなわち、プース・カフェ・スタイルのグラスホッパーには、似たカクテルとしてキューカンバー(Cucumber)というものがある。具体的には、旧来の作り方のグラスホッパーからホワイト・カカオ・リキュールを抜いたものであり、2層になっているカクテルをキューカンバーと呼ぶ。なお、カクテル名のキューカンバーとは、「 キュウリ 」のこと。 フロート・スタイル のカクテルであり、キュウリの断面のように緑と白に分かれている。
リキュール・グラス(容量30ml程度)に、適量のグリーン・ペパーミント・リキュールを注ぎ、そこにグリーン・ペパーミント・リキュールの半量程度の生クリームをフロートさせれば完成である
新しい作り方のグラスホッパーには、次のようなバリエーションがある。ただし、新しい作り方のグラスホッパーのバリエーションには、それぞれの材料の混合比率として、1:1:1を標準としないカクテルが多数含まれる。しかし、カクテルを作る際、それぞれの材料の混合比率を、飲む人の好みに応じて変えることは、しばしば行われることなので、ここでは、多少混合比率が異なるカクテルもバリエーションとして挙げてある。
古い作り方のグラスホッパーには、次のようなバリエーションがある。