キューバ・リブレ
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基本情報
種別 ロングドリンク
作成技法 ビルド
黒褐色透明
アルコール度数
度数 12度 - 13度
レシピの一例
ベース ラム
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キューバ・リブレ(Cuba libre)とは、冷たいタイプのロングドリンクに分類される、ラム酒をベースとするカクテルの1つである。瓶詰のコーラを用いるカクテルとしては極めて古いものの一つ。

日本では英語スペイン語が混ざって「キューバ・リブレ」と呼ばれることもある他、英語風に「キューバ・リバー」、スペイン語風に「クーバ・リブレ」または「クバ・リブレ」と呼ばれることもある。本稿では、以降キューバ・リブレの表記を用いる。なお、「キューバ・リバー」と呼ぶ場合に「キューバの河(Cuba River)」と勘違いしていることがある。

歴史

第二次キューバ独立戦争の合言葉として使われた「Viva Cuba Libre(ビバ・クバ・リブレ、キューバの自由万歳)」にちなんで作られたカクテル。第二次キューバ独立戦争は1898年4月に米西戦争となり、アメリカが勝利したことで、スペインはキューバの主権を破棄し、1902年5月20日にキューバは独立して1つの国家としての歴史をスタートする。その独立を祝う為に生まれたカクテルがまさしくキューバ・リブレであった。

なお、コカ・コーラの誕生は1886年、瓶詰めとして販売されるようになったのは1894年からである。

キューバ・リブレの考案者、発祥は不明であるが、バカルディキューバでは、以下のような説を自社のWebサイトで公開している。

キューバ米国軍政府 ( 英語版 )のファウスト・ロドリゲス(Fausto Rodriguez)がしばしば同行させていた アメリカ陸軍通信部隊 ( 英語版 )のラッセル大尉Captain Russell)はハバナのアメリカン・バーでバカルディのラム酒とコカ・コーラとライムを絞ったジュースを飲むのがお気に入りであった。1900年8月のある日、ラッセル大尉のお気に入りは他のアメリカ兵に気付かれ、数分後にはバー全体で飲まれるようになった。その際の乾杯(Toast)の言葉として「スペイン語: por Cuba libre(「キューバの自由」のために)」をラッセル大尉が提案し、これが広まった。

1935年に刊行されたアルバート・スティーブンス・クロケット(Albert S Crockett)のカクテルブック『The Old Waldorf-Astoria Bar Book』には、キューバ・リブレが紹介されている。

1939年 チャールズ・H・ベイカー・ジュニア ( 英語版 )が発表した『The Gentleman's Companion: Being an Exotic Cookery and Drinking』ではアメリカのノースカロライナ州シアトルメキシコシティといった広い範囲でキューバ・リブレ(もしくはラム酒のコーラ割り)が飲まれていることが報告されている。また、アンドリューズ・シスターズによる1945年発売の曲『 ラムとコカコーラ ( 英語版 )』も普及の助けとなった。

以来、現在に至るまで、有名なロングドリンクの一つとして世界中で飲用されている。

レシピの例

例1
  • ラム = 45ml
  • ライム・ジュース = 10ml
  • コーラ = 95ml
  • カットしたライムの実 = 1個
    1. 氷を入れたグラスに、ラムとライム・ジュースを注ぐ。
    2. コーラを注ぎ、軽くステアする。
    3. カットライムをグラス飾る。
例2
  • ホワイト・ラム = 45ml
  • ライムの実 = 1/2個
  • コーラ = 適量
    1. ライムの実からジュースを絞り、グラスに注ぐ。
    2. グラスに氷を加える。
    3. ラム、コーラをグラスに注ぎ、マドラーを添える。
例3
  • ラム(ホワイトまたはゴールド) = 30ml
  • コーラ = 90ml程度
  • ライムの実 = 1/6個
    1. 氷を入れたグラスに、ラムを注ぐ。
    2. コーラを注ぎ、軽くステアする。
    3. カットしたライムを絞って入れる。

備考

  • カクテル完成時のアルコール度数の調節などのため、しばしばラムは増減される。
  • ステアを行う際、コーラの炭酸を逃がさないように注意を払う必要がある。
  • ラムが一番先にグラスに注がれるのは、比重の関係で自動的に混ざるからという理由もある。
  • 写真のように、グラスにライムが飾られる場合もある。
  • 似たカクテル

    キューバ・リブレのことを、単に「ラム・コーク(Rum and Coke)」や「ラム・コーラ」と呼ぶこともある。「ラム・コーラにライム・ジュースを加えたカクテルがキューバ・リブレ」と違いを説明されることもある。

    キューバ・リブレに使用されるコーラは特に指定されていないし、ラム・コーラの場合も同様であるが、「コーク」はコカ・コーラの愛称なので、「ラム・コーク」に使用するコーラはコカ・コーラでなければいけないという人もいる[ 要出典 ]

    ウィッチ・ドクター (Witch Doctor)
    • コーラの代わりに、ドクターペッパーを使用する。
    ホット・キューバ・リブレ (Hot Cuba Libre,)
    • キューバ・リブレにチリソースを加える。

    文化における影響

    • ラムとコカコーラ ( 英語版 ) - アンドリューズ・シスターズによる1945年発売の曲
    • ラム・コークはいかが - 大場久美子の曲。アルバム『微笑のメロディー』に収録。
    • トレーラーパークボーイズ - カナダのテレビドラマ。主要人物のジュリアンがキューバ・リブレを持ち歩いている。

    出典

    1. ^ 『おうちでカクテル』YYT project、池田書店、2007年、66頁。ISBN 978-4-262-12918-1 。
    2. ^ 稲保幸『色でひけるカクテル』大泉書店、2003年、108頁。
    3. ^ a b c d e f g 『カクテル教室』保育社、1996年、8頁。ISBN 9784586508877 。
    4. ^ a b 『世界一のカクテル』主婦の友社、2010年、170頁。ISBN 9784072743935 。

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